感染症の専門家はウイルスという見えない敵との長期戦になると言いました。ウイルスを殺す(攻撃)ワクチンが開発されていないので、ただただ、ウイルスの感染を防ぐしかない(防御)。その最も有効な手段が人との接触を8割減にする。具体的には3密への行動を控えることだそうです。
この戦いは専守防衛の自衛隊と同じです。何時どこから攻撃してくるかわからない敵と戦うのは疲れます。長期戦になればなるほど疲れます。この心理戦においては、戦う前に精神的ストレス(不安と恐怖)で押しつぶされてしまいます。ところが、最近、専門家は「長期戦の戦い」ではなく「長丁場の対応」と言うようになりました。ウイルスと「戦う」のでなく「共生」することが必要だそうです。共生とは「共に生きる」という意味です。しかし、ウイルスと共に生きたいとは誰も思わないでしょう。それでは共生とはどういう意味か?小生は、ウイルスを殺すことができないならウイルスの生存は認めざるおう得ない(仕方がない)。この事実を受け入れて生活(対応)することではないかと思います。
つまり、ウイルスに対する不安、恐怖(死の恐怖)を異物視化(取り除く)することなく、仕方がないと受け入れ、やるべき生活(生の欲望)をする。ただし、行動(3密の行動は避ける等)は理性に基づいて実施する。これは、森田療法の「自然に服従し(不安恐怖という感情は自然現象であり受け入れる)、環境に柔順たれ(今の自分の立場に鑑みやるべきことやる)」という「あるがままに生きる」という考えと同じだと思いました。