私は、社団法人日本産業カウンセラー協会のカウンセラー及びキャリアコンサルタントとして、約10年前から実施しているボランティア活動を通じて、人の心を大事にすることの大切さを痛感した。本書では、フォロワーシップの発揮についてはカウンセリングマインドの視点からも捉えてみる。その理由は、リーダーもフォロワーも立場は違えど同じ人間であり、その行動は感情に左右されるからである。
世の中、大半の人がフォロワーである。リーダーも自分の上司に対してはフォロワーである。何も、それは職場だけにとどまらず、家庭でも、何かのグループでも、所謂、二人以上の組織においては必ずリーダーとフォロワーとしての役割が生じる。
私は、リーダーシップを“指揮官道”と呼んでいる。フォロワーシップも同様に、単なる技法や能力でなく、部下としての生き方そのものであると考えるので、“部下道”と呼ぶ。
ひとりでも多くの人がフォロワーとしての役割を果たす際の伴走者として役立ててくれることを願う。