フォロワーシップの登場

面白い話がある。2008年6月に実施された宇宙飛行士の選抜試験の模様をNHKがドキュメントとして放映した。約1000人の応募者の中から、数次の試験を経て最終候補者10人(パイロット、医者、研究者等)が残った。更にその中から2名を選抜する試験である。

私がこの選抜試験に興味を持ったのは、その中に防衛大学校の後輩のテストパイロットがいたからである。彼は、試験にも合格して現在訓練中と聞いている。

候補者10人は、宇宙ステーションを模倣した80平方メートルの狭い閉鎖施設で、一週間生活し、24時間監視の下、次々に出される課題をこなしていくのだが、その対応振りが試験管により審査される。

ストレスに耐える力、危険を乗り越える折れない心、チームを盛り上げるユーモア、それと特に、共同作業においては「リーダーシップとフォロワーシップ」の能力が審査される。

なぜ、宇宙飛行士にフォロワーシップが必要なのか、宇宙飛行士である山崎直子さんは「宇宙飛行士は全てを自分ひとりでやる必要はない。仲間に助けてもらえばよい」と言っている。つまり、自分の研究テーマにおいてはリーダーとして行動し、他人の研究テーマにおいては、フォロワーとして支援に回る。宇宙飛行士はリーダーシップと同じくらいフォロワーシップが必要であるということである。

また、政治の世界においても、野田佳彦首相は、今、社会保障と税の一体改革に取り組んでいるが、同じ民主党内で反対論が公然と起きている。野田首相がこれを憂い「今、民主党に一番必要なのはフォロワーシップである」と訴えているのを聞いたことがある。

このように、近頃、“フォロワーシップ”という言葉を自分の周りでチラホラ聞くようになった。

とはいえ、まだ、リーダーシップの比ではない。リーダーシップという言葉はよく耳にするが“フォロワーシップ”と言う言葉はあまり耳にしない。


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